●支台歯形成について 01 「現在、上市されているCAD/CAM用支台歯 プレパレーションバー(松風、GC社)」 |
@はじめに: 支台歯形成はプレパレーションとも言い、クラウン補綴装置は支台歯形成、インレー補綴装置では 窩洞形成を行ないます。特にオールセラミック用の支台歯には必ず「丸み」が必要です。
昨今の歯科医療界におけるデジタル化の潮流から、「CAD/CAMサポート」による補綴装置は ドイツのIDS 2017 ケルン 国際デンタルショーでも、既に出展社96社+αを数え、 これからもオールセラミック等のプレパレーションデザインは非常に重要となります。
では…… 何故「CAD/CAM用の支台歯」には、丸みが必要なのでしょう? 支台歯の切端部等の厚みが不十分だったり、鋭角な場合には、CAD/CAM用ミリングバー形状 から精確にミリング加工ができません。したがって、予めリリーフを行うことができますものの、 無駄なスペースができたり、前装用陶材築盛のクリアランスにも影響してきます。
図01a CAD/CAM支台歯切縁部が鋭角な場合には、 CAD/CAMミリングバーが入らないため、 支台歯切縁部に間隙が生じると同時にフレーム厚みが薄くなり、強度が脆弱になる
図01b 3M-ESPE Lava スキャナではワンクリックで切縁シャープ部を リリーフしてくれるが、今度は前装用クリアランスが減少してしまう
01.理想的な印象とマスター模型の実際: 素晴らしい印象であるからして、精密なマスター模型ができます。 実際には、メタルセラミックの天然支台歯であっても、丸みを帯びた歯牙形成が重要です。
図01c 印象 図01d マスター模型 上記の図01c&d、実はメタルセラミック用のプレパレーションなのです。
ACAD/CAM用支台歯のプレパレーション形態
図02 支台歯の歯牙プレパレーション形態
図03 歯牙プレパレーション形態の禁忌例
BCAD/CAM用支台歯プレパレーションの実際 現在の歯牙プレパレーションに用いるバーは非常に多々ございますが、ここでは国産のバーとして 各社ホームページから松風社製とGC社製のポイントのみを抜粋し、ご紹介します。
【松風社】 図04 ダイヤモンドポイントFG CAD/CAM プレパレーションキット
図05a&b 各ポンイント類の用途と寸法
松風社では最初、11種類のポイントを上市しました。 昨今は17種類ありますものの、この項では11種類に限ってご紹介いたします。 このポイントを使用することによって、粗削りではパラレル形成に成り易く、徐々に最終的な支台歯 の角度が6〜8度に形成できるよう、ポイント角度は4度に設定してあります。
【前歯部】
図06 「102R」による隣接部のスライスカット 図07 歯肉を圧排する
図08 「106RD」による切端部の形成 図09 「106RD、SF106RD」による歯軸の形成
図10 診断用wax upコアによるクリアランスの確認 図11 「145、SF145」による口蓋側の形成
図12 「SF151」による丸みの付与 図13 「SF114」でのフィニッシュライン仕上げ形成
図14 支台歯表面やフィニッシュラインの確認 図15 「SF107」による最終仕上げ 図16 シリコーンコアによる最終確認(クリアランス等)01
図17 シリコーンコアによる最終確認(クリアランス等)02 図18 完成したプレパレーション
【臼歯部】
図19 「265R、SF265R」を用いた咬合面の形成 図20 「SF151」による曲面形成01
図21 「SF151」による曲面形成02 図22 クリアランス等の最終確認
【GC社】 図23 GCスムースカット オールセラミックス・プレパレーション用
生活歯のプレパレーションは原則的に「BR5」で行った後、「BR6」で最終調整します。 「SBR5」は「BR5」と同じテーパー角を有し、下顎歯・臼歯用に形成を行います。 下図24に則して、 「レギュラータイプ」による外形形成後、「微粒子タイプ」で仕上げ形成といった順序です。
図24 GCスムースカットの各用途、形状および寸法
図25a&b デプスカット c BR5による軸面形成
d PR17での舌面窩、小臼歯咬合面形成 e 臼歯咬合面形成
*上記の画像は次のホームページを整理した抜粋ですので、 詳細については下記、ホームページをご参照いただければ幸いです。
GC社ホームページ:スムースカット オールセラミックス プレパレーション バーセット
【関連記事】 ワールドミリングセンター ホームページ:プレパレーションガイド
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