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「ゼロから始める歯型彫刻講座
番外編〜昔、トトロを彫っていた〜 」


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「ゼロから始める歯型彫刻講座
番外編〜昔、トトロを彫っていた〜」

 

かつてワセトレに通っていた頃、

遊びでトトロを彫刻してみたことがあります。

 

何故、トトロなんでしょう?

 

元はと言えば、歯型彫刻の師匠である難羽先生が

以前「歯の形のセミナー」を開催されたとき、

「何か展示用の作品を彫ってきてくれないか?」

と私に依頼して下さったのがキッカケです。

 

ともすれば、臨床とは距離を置いた展示用作品。

単に上手な歯を彫っても面白みに欠けるかも…?

 

そんな勘違いをしていた当時の私は、

歯をモチーフにした彫刻作品を製作してみよう!

と、思い立ったのです。

 

 

まず悩んだのが、前歯部を彫るか臼歯部を彫るか。

それとも片顎歯列を彫るか……。

 

とはいえ、やはり咬合面の彫り込みがあった方が

作品としては見栄えします。

 

また、コンパクトに小さな作品にしよう!

という趣向は最初からありましたので、

結局は上顎4から7までを彫ることに決めました。

 

なるべく天然歯らしく、ある程度機能的で、

それでいて解剖学的な臼歯を並べてみよう。

そんなコンセプトで作品製作に着手したのでした。

 

 

ただ置物として見せるにあたり、歯列の美しさは

業界人以外に理解され難い傾向にあります。

 

折角なら、業界人以外にも

手に取ってもらえるような作品にしたい……!!

 

…そうだ、何か可愛いキャラクターを付与しよう。

皆が知っていて、歯をイーッ!!と見せるキャラで。

尚且つ可愛いキャラクター。

 

そうしてトトロを彫るに至ったのです。

 

まずは台付け用ゴム枠に超硬石膏を流し込みます。

そして大体の歯列の雰囲気をスケッチしたら…

 

 

あとはひたすら歯列を彫っていきます。

 

 

ぐは、気泡出てきた……しかもデカい……。

ええい、気泡の位置にそのまま穴彫って、

バースタンドにしちゃえ!!

 

 

トトロの外形がおおよそ出来てきました。

ちゃんと傘をも持たせてあげるのも忘れずに。

 

 

洞窟の中、トトロの家をイメージして、

中にミニトトロを彫りこみます。

 

 

洞窟の入口をちゃんと貫通させました。

また陰影が立体的になるように、

ミニトトロの耳の裏までしっかり造形。

 

そうして爆誕したトトロ彫刻だったのでした。

バースタンドとしての実用性もあるかも!?

 

ちなみに歯肉をリアルにしてしまうと

置物として気持ち悪くなってしまうと思ったので、

あっさりと仕上げました。


今見ると大して良い出来でも無いと思うのですが、

なんというか、これはこれで気に入っています。

 

これこそ本当の意味で

「自由彫刻」なのかも知れませんね。

 

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                  ライター 瀬 直

 

   

 


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