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〜最近やるようになった小さな工夫〜


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『ダブルスキャン時にスキャンエラーが減るかも?』

〜最近やるようになった小さな工夫〜

 

 

 

スキャンコート、高性能ですよね。

 

とはいえ、いくら材料が優れていても

他のところでやり方を間違ってしまえば

本来の性能を発揮できないのは当たり前。

 

僕はあまりCADの経験が無く不慣れなので、

そこらへんの扱いがどうにも雑なのか何なのか…

 

自分でやると、なんだか思うように

スキャンできないことが多かったのです。

 

 

そこでちょっと無い頭をひねりまして、

自分なりに対策を練って実行してみたところ、

多少結果にコミットするようになってきました。

 

今回はそんな内容を雑記したいと思います。

もっといいやり方があったら、教えてください!

 

 

 

 

1.スキャンをする支台歯には初手の硬化剤を塗らない

 

Grossでは、模型を石膏トリマーにかける際、

支台歯やコンタクトエリアといったデリケートな場所には、

必ず事前に石膏硬化剤「マージダー」を塗布していました。

 

※初回塗布時は皮膜の厚さが

 理論上0μになるという優れものです。

 

 

基本的に湿式トリマーを使用していますから

水で石膏模型表面が溶解しないためですよね。

 

そして分割模型を製作し、

支台歯トリミング後に再度マージダーを塗布していました。

つまり、合計で二度塗布していたのが従来です。

 

 

模型を十分に乾燥させておけば、

二度塗りしても皮膜はあまり厚くなりません。

その為、通常では一切差支えがないのですが……。

 

いざスキャン用となると、

表面がわずかに光沢を帯びてしまい、

光を反射してしまってスキャンエラーを誘発しやすかったのです。

 

 

でもよくよく考えると、

模型が微量に溶解することによる不適合よりも、

スキャンエラーによる適合不良の方が遥かに大問題なんですよね。

 

 

特にGrossでは基本「二次模型」がありますから、

仮に作業模型で溶解問題が発生しても

二次模型の方で正確な適合確認が可能なのです。

 

 

というわけで、模型トリミング前の硬化剤塗布を一切止めてみました。

 

するとどうでしょう。

目に見えてスキャン精度が向上したのです。

 

硬化剤二度塗りによる支台歯の反射は、

肉眼ではあまり気にならないレベルでした。

 

 

しかし、

スキャナーはその辺りが非常にデリケートだったみたいですね。

 

 

 

 

 

2.支台歯からワックス分離剤を除去する

 

ワックス分離剤もテカテカしていますので、

これも問題なのではないかと考えました。

 

 

Grossでは基本的にダブルスキャンを行う為、

スキャン用のワックスクラウンを製作します。

 

しかしワックスクラウンの着脱がキツイと、

スキャン時に支台歯の位置がずれたり、クラウンが割れたりすることがあります。

 

そのため、ワックスクラウンのフィットはやや緩く製作しているのです。

 

 

しかし、支台歯への硬化剤の塗布を控えめにしている上、

スキャンワックスは割と支台歯に焼き付き易いのです。

 

対策として、

分離剤をたっぷり使用して、外れやすくしていた背景がありました。

 

もちろん、

スキャン前に支台歯から分離剤をティッシュなどで拭い去っていました。

 

 

ただ摩耗の影響を懸念してあまり強く擦れず、

分離剤を除去しきれていなかった為、

残滓が反射しやすくなっていたのだろうと思います。

 

 

そこでベビーパウダーを塗して分離剤を吸わせ、

その後に柔らかい筆で拭い去る作戦に出ました。

 

元々、ベビーパウダーは反射防止の為に支台歯の表面に塗していたのですが、

表面厚さが出るために敬遠していました。

 

 

しかし、塗した後に筆で完全に除去するならば

何も問題はありません。

 

良い感じに分離剤を巻き込んで居なくなってくれるので、

最近ではスキャン前に支台歯を筆でパフパフするようにしています。

 

これもやっぱり結果にコミットする感じです。

 

 

 

 

 

3.ワックスクラウン内面からも分離剤を除去する

 

最後にワックスクラウン内面です。

当然、ワックスアップ時に使用した分離剤がこれでもかとへばりついています。

 

 

CADのソフトによっても違いますが、これも除去するほうが理想的です。

 

 

ワックスを先にスキャンしてから支台歯を後にスキャンする場合、

当然ワックスクラウン内面の分離剤は支台歯に再付着します。

 

 

やはりテカテカ問題を誘発しますので、

ワックスクラウンの内面にあらかじめ界面活性剤をスプレーしておき、

その後水洗して分離剤を除去するようにしました。

 

これも僅かながら効果アリなのではないか?

と思っています。

 

 

 

以上です。

如何でしたでしょうか。

 

なんだかあまり役に立たなさそうな雑記ですが、

何かの参考にして頂ければ幸いです。

 

 

また前述の通り、

 

「こうした方がもっといいよ!」

「こうすればうまくいくよ!」

 

という方法に心当たりがありましたら

教えてください(´・ω・`)

 

 

  

              ライター 瀬 直

 

 

   

 


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