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「診断用wax up」とは?
また、正確な咬合を採得は、既存の補綴形態決定因子と治療可能性について精密な評価を下すことができる。
装着予定の補綴装置は診断用模型上にワックスによって作製し、臨床の可能性を示唆します。 そして、患者の希望する審美性と機能を実現するために必要な臨床および技工手順を決定する。
図01 診断用wax up前(左)および後(右)
診断用模型および診断用wax upの概略
が重要であると同時に、診断用模型および診断用wax upは治療の予知性を向上させる。
ワックスまたは人工歯を使用する。wax upは、ある特定の治療法が適切であるかどうかを示唆する 重要な診断情報を提供する。
また、適切な補綴方法を選択する手がかりとなり、矯正治療や補綴前手術が必要かどうかを判断する ことも可能である。
診断用模型およびwax upは、補綴装置製作のために利用できるクリアランスを確認し、 補綴用クリアランスを獲得するために対合歯の治療も必要であるかどうかを確認するために有効である。
将来的に予定する咬合様式(CR等)を評価し、残存歯にどのような修正が必要であるかを確認することも できる。
加えて、診断用wax upは歯科医師、歯科技工士および患者間のコミュニケーションの手段としても使用する ことが可能である。
図02a&b 上顎前歯部はクラウン補綴装置とする必要が見てとれる。 下顎前歯部がラミネートべニア等のMI(最小限の侵襲)の観点から修復できるものの、 犬歯部に関しては誘導を司るため、クラウン補綴装置にする、という可能性が明確化される。
診断用模型およびwax upには、以下の手順が含まれる。
診断用wax upは、治療用ツールとしても使用することができ、無歯顎領域にインプラントを埋入する場合、 これを利用してX線用およびサージカルステントを製作することも可能である。
図03a〜d 同じ患者でありながら、CO(左)とCR(右」)の咬合状態はまるで違う!
*注意(図03):COとは「セントリック・オクルージョン=中央咬合位」を指し、歯牙が最大面積となる 咬合位で接触し、咬頭と窩が嵌合(CO)した咬合状態である。
一方、CRは「セントリックリレーション=中心位」のことであり、両下顎の関節頭が関節窩で 上前方位にあり、下顎の関節円板上にある位置での下顎位のことを言う。
特に、一口腔内単位で機能性を考える場合、必ずCRでの咬合状態を付与しなければならない。
図04a〜d 前歯部は、患者の主訴である「前突した状態」を改善し、的確な犬歯誘導を与えた。 また、臼歯部については、CR咬合で生じた間隙をwax upで埋めただけの状態である。
「臨床例01:図01〜04」
患者は特に、上顎前突を主訴とした。 を前提に、どのような補綴物で理想的な口腔状態にもっていくかの考察が必要となる。
この診断用wax upにより、下顎前歯はラミネート でも、審美的な改善が可能であると推測できた。
図05 術前 図06 診断用wax up後: 歯牙32,33,34,43,44部は温存できるものの、31〜42部はラミネートにて補綴することが可能であるなど、 細部、詳細に亘る診断が可能となる。
「臨床例02:図05〜08」
02、「臨床例01」 と同様、下顎前歯はラミネートでの改善も可能であると推測できる。
04、ブリッジによる補綴の予測とその咬合面観。
図07 術前 図08 矯正治療を見据えた診断用wax up
図09 軟硬組織のグラフおよび上顎パーシャル、下顎デンチャーを見越した診断用wax up
「臨床例03:図09」
がある場合は、そのグラフト量やデンチャー位置等を確認できるようにパラフィンワックス(ピンク)を使用し、 診断用wax upを行なう。その際の歯冠部には、通常の歯冠用ワックスや既製人工歯を用いる。
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