ハイブリッドレジン市場は2006年をピークに著しい減少傾向にあったものの、長期予後から 極端な硬度を有する咬合面用マテリアルによる弊害が報告されました。
その結果、エナメル質と比較してあまり大差が無く、セラミックスに近似する曲げ強度を有し ながらも、レジン特有の靭性を内包し、従来の欠点を克服した新たなハイブリッド系レジン材料 の登場が期待されていました。
その世界最高峰の曲げ強度を有する新しいハイブリッド系レジンが「セラマージュデュオ」です。
表01a,b 曲げ強度の比較図:現状、世界最高峰の数値を示している
「セラマージュデュオ」を用いたインレー臨床例
「セラマージュ デュオ」は歯冠部だけでなく、歯肉の再現においても有意性が大きい。
下図の症例は、エンデュラ人工歯排列、歯肉形成を施したオーバーデンチャーの唇側前庭部を カットバックし、「セラマージュ デュオ」を築盛しました。
質感や色調が口腔内に調和することは勿論、高い耐久性と表面滑沢性はプラークの沈着を回避し、 長期的な審美性の持続が期待できよう。
図01a,b,c,d,e AGCドッペルクローネオーバーデンチャーの唇側前庭部をカットバックした後、 「セラマージュ デュオ」を築盛した
既に我が国に到来している「超高齢社会」では、患者様自身または介護者が容易に取り外し可能で 口腔内のケアも簡便な「AGCドッペルクローネオーバーデンチャー」の普及は必須であろう。
表02a,b 対合エナメルの摩耗量および破断エネルギー
【自家製人工歯を用いたボーンアンカードブリッジの製作】
図03&04 前歯部排列と臼歯部蝋堤の完成:咬合平面や顔面正中等の確認と完成
ハイブリッドレジンは簡易な作業工程で感覚的に色調再現を可能としている他、チェアサイドでの 修理が容易と数多くの利点を内包している。
セラマージュ デュオ」は従来のハイブリッドレジン製品の欠点を克服しながらも、簡便性や干渉機構 といった利点を継承しているため、特にインプラント補綴装置の咬合面マテリアルとして 今後に大きな期待を寄せている。
使用した光重合器および熱重合器:
使用した光重合器およびPMMA(アクリル)用インジェクターおよび重合器:
製作担当:グロース主任 瀬 直
詳細は下記の文献をご参照くださいませ。 執筆:高瀬 直,監修:大畠一成/New Materials & Method/前編 理工学的性質とワークフロー 執筆:高瀬 直,監修・解説:大畠一成/New Materials & Method/後編 臨床応用の実際
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