★ 補綴用実践的ワックスアップ手順を追う!02★ |
ここからは実際に補綴物(人工の歯)を作るためのワックスアップ手順を紹介します。
●まず患者さんの歯医者さんでの『型取り』から模型を製作し、上下顎を咬合器(ヒトの顎と同等、無いしは、 それに似た運動が可能な器械)に装着します。 この場合、下顎右第二小臼歯欠損でメタルボンド(瀬戸物様でできておりヒトの歯と見分けが付かないような歯)・ ブリッジ用の骨組みを作るための「ワックスアップ」を行います。
・クリアランス(歯を造るための隙間)の確認(上図左)。 ・ポンティック粘膜面(欠損部)は研磨分を予測してシリコンポイントで一層削ります。 支台歯のアンダーカット部(ワックスパターンを抜く時の変形の原因となる部分)や平行性をチェックします。 |
★ポーセレンメタルフレーム ・ポンティック粘膜面に分離材を塗布せずにシートワックスを圧接し、焼付ける。 ・その上に分離材を塗布し、シートワックスを圧接する。 ・支台歯に薄く一層ワックスでコーティング(上図)。 ・支台歯の隅角をなぞるように均一の量で盛る(下図)。 ・その間にワックスを均一に埋めることにより、鋳造可能で均一な厚さのワックスコーピングが 容易に得られる。 マージン部はマージン用のワックスを流す。 |
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●使用ワックスについて------- ・ミリング用のワックスを使用。切削感に優れ、べとつきが無く、切削表面も滑らかである。 ・半透明ワックスなので透け具合で厚みの確認が可能である。 ・マージン用のワックス。有機質ワックス(焼却後の残留物が少ない)であることから、 プレスセラミックにも使用できる。 ・舌側、カラー部。カントゥアーの立ち上がりの角度は、メタルボンドの完成時に研摩調整できるよう、 ややオーバーカウントゥアーに設定しておく。 ・ポンティック相当部にキャスティングワックスを置き、形態を修正し、 歯間乳頭がわかるようにシートワックスをカットする。 ・メタルフレーム連結部はメタルの種類によって、調節されなければならないが、 本症例の様にプレッシャスメタルの場合、最低2,0mmX3.0mm必要である。 ・クリアランスの少ないケースで連結部が強度不足の場合は、舌側部を補強する。 ・連結部の形状:頬側部歯間鼓形空隙の付近は、審美性の確保(ポーセレン・スペース)のため、 大きく開ける。 ・マイクロスコープ下でマージンをチェックし、支台が模型に戻っているかを確認し、連結する。 ・スプルーイング。ワックスパターン着脱時の変型防止のため、スプルー植立位置は先ずは両端、 そして後に中央連結部にワックス連結する。 ・ランナーバー(キャスティングワックス・ピンク)の固着。 ・ワックスパターンはラバーダム等のラバーを用いると変形なく脱着しやすい。 ・埋没、鋳造。
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詳細については ★花輪容子/大畠一成著:『ワックスアップ』〜これからのスタンダード〜 「機能と審美を追及する臼歯部ブリッジのワックスアップ」、医歯薬出版株式会社、月刊「歯科技工」別冊 をご参照ください。
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