★ 世界最大のデンタルショー 『IDS.ケルン』! 日本歯科界の展望は、、、★ |
★下の写真は「世界最大のデンタルショー:IDSケルン」が開催されるケルン駅前にある
「ケルンの大聖堂」です。近くからは大きすぎて全部写真に入れるのは難しいんですよ。
◎ 一般の方々には殆ど、馴染みでは無いと言われてしまいますが…… この「IDSケルン」は歯科関係者にとって、2年に1度の大事な1週間です。
ドイツ ケルン:http://www.ids-cologne.de/ids/index.php より
★昨年(2017年3月21日〜25日)開催された 「第37回 International Dental Show 2017:以後、IDSケルン 2017」のテーマは 「より迅速に、より安全に、またより賢明に」をモットーにしたデジタルワークフローからマニュアル製作 までを考察することでした。
また、サブテーマは、 〜技術革新の花火:現代テクノロジーの可能性を追求した明日の歯科医院および歯科技工所に 対応するソリューション〜でした。
★IDSケルンとは? ・薬事法未承認の製品も展示、公開され、歯科医療従事者等の反応が直感できます。
・日本ではこのIDSケルンでの発表後、2〜3年後に上市されることが多く、 近い将来の日本の歯科動向を鑑みることが可能です。
・ドイツも日本と同様に、製品をディーラーから仕入れるものの、 この会期中はユーザーとメーカーの直接取引が可能である。 ユーザーは格安な「メッセ価格」で新製品を手中に納めることができます。
我々が訪れた今回の「IDSケルン2017」は、下記した「IDSケルン2007」から10年目でしたものの、 予想通りの展開で「デジタル・デンティストリー」の進化には目を見張るものがありました。
ケルンメッセ会場:http://www.ids-cologne.de/ids/index.php より
★第37回IDSケルン 2017…?
IDSケルン会場 エントランス:http://www.ids-cologne.de/ids/index.php より
★IDSケルン 2017の見どころ: IDSケルンでは、我々が予期した通り、もはやCAD/CAMシステムを省いては語れないほど、 各メーカーが軒並みに各CAD/CAM機種を出展していました(出展数96社+α)。
特に、我々が想定していたことは各メーカーにおける3Dプリントシステムの出展数であり、 やはり非常に増加し、また、既存のものは性能が抜群に向上していました。 実際、ミリング加工に依拠するCAMが「減法」であることに対して、3Dプリントシステムは 歯科医療の発生学と同様に「加法」で製作することに、 我々は大きな可能性と有意性を感じています(出展数40社+α)。
上記のように、CAD/CAMシステムおよび3Dプリントシステムの展示は 数多くの企業からの出展があった(出展数136社+α)。
とりわけインプラントに至っては、デジタルシステムの意味合いからは少し遠ざかるものの 約161社が展示している状況でした。
★IDSケルン 2017への来場にあたって: IDSケルン会場は非常に大規模であり、様々な前準備やナビゲーション情報収集が必須です。 我々は日本と現地の歯科臨床家、各メーカーサイドやプレスサイドの海外論文をも含めた 前情報から予め来訪するブースを定めていました。
来場者は行列をなすほど非常に多く、日本のバーゲンセール以上に混雑しています。 場内地図を始め前情報が無ければ、混沌として目的の展示ブースへ辿り着くことさえ極めて困難です。
説明を耳にすることができました。
歯冠修復・補綴関連材料、CAD/CAMシステム、3Dプリントテクノロジー、電鋳、インプラント関連材料 またはその他の器材などを完全にカテゴリー分類することは、もはや非常に困難です。
1企業のCAD/CAMシステムひとつを取ってみても、 様々な企業が入り組んで開発し、異なる様々な会社がOEM版も含めて共同販売する。 こういったケースが昨今の企業間提携の形態です。
もはや各種詳細をすべて把握し、 歯科医療製品を確実にカテゴリー分類することは非常に難しいでしょう。
各出展者や革新的な出展物詳細に関しては、未だ「補綴臨床」に連載中ですが、
をご覧くださいませ。
★注意:IDSケルンの会期中は、ホテルがメッセ価格で最低、2倍になります。 また、ほとんどが満室で、Köln市外に滞在する方が多く存在します。
ケルン大聖堂の天辺
★また10年前になりますが… IDSケルン 2007に参加しました。 ●楽天ブログ (Apr 1, 2005の項 下部)に既述しましたが、 当時、2007年4月12日からドイツのケルン市で5日間に渡り、 世界最大のデンタルショー「IDSケルン」が2年の周期を経て、開催されました。
IDSケルンデンタルショーは出展参加、41カ国から約1200社から歯科治療、歯科技術産業の将来を 展望する上で、革新的な歯科材料、器材、予防関連製品、歯科治療、および歯科医院・ラボ用設備等 関連のあらゆる新製品や技術・サービスの一貫が紹介されるのです。
約12社からのCAD/CAMをテーマとした出展があったのですが… セラミックの分野では、 従来より話題を集めていた酸化アルミニウムを遥かに超える強度と破壊靭性を有する ”酸化ジルコニア”を基本成分とするセラミック材料の数多くの出展があり、 コスト面での優位性が認められれば、日本での需要が増大する可能性が十分にあります。
「今回のメッセでも臨床実績を踏まえた"CAD/CAM"と”酸化ジルコニア”に焦点が集まる事でしょう。」
これらを考慮すれば自ずと斯界の将来的展望を計る指針となるはずです。 しかし、「ジルコニア」に関しては、日本では2週間前にやっと薬事法に通ったばかりで、 欧米に10年程、大きく水を開けられています。 この実体をどう打開するかが、大きな課題になるでしょう。
◎ 進んだ文明は文化、とりわけ「芸術」をこよなく愛します。 したがって、ヨーロッパでは旧市街など、 人の集まるところで上の写真のようにストリート・アーティストが集うのです。
出品製品も人の眼を引く芸術性、そして機能性が重視されるのです。
さて、また当時(1998年の第三次保険医療制度改革)の経済的打撃は、 ドイツ歯科業界全体にも重く浸透しています。
ドイツ歯科市場の経済的再思考と包括的変換は、 自ずと行われなければならない時期に来ているのです。
何れにしても、ソ連の経済的崩壊とともに、世界的にアメリカ的経済思考が幅を利かす現在、 現存する保険制度に相関した医療供給側の高いクオリティ・パフォーマンスを望む 積極的な医療技術的展開は困難を極めます。
国民福祉を最優先してきたドイツの社会資本経済的イデオロギーが広範的に変換され、 世界的に斯界の底上げに関与することを願って止みません。
何故ならそれは、 これからの日本の歯科医療に直接的影響を与えることが明白であるからです!
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