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マグネット付テレスコープデンチャー&

ガルバーノテクニック


11a-内冠+マグフィット800.jpg 11b-内冠_AGC前準備.jpg

 

 

本症例は残った歯が1本しかなく、上顎レジリエンツテレスコープデンチャーで経過を観察する

ことにしましたが、患者さんが残った歯でどうしても維持力を持たせたい!という要求がありました。

したがって、正確にはレジリエンツではないものの、上顎右第一大臼歯には

ショックアブソーバー的要素を持つAGCガルバーノキャップで緩衝を有する

粘膜負担の(レジリエンツ)テレスコープデンチャーを選択しました。

 

しかしながら、上顎第一大臼歯とはいえ、残存歯1歯だけでは維持力を持たせることはできません。

そこで当該大臼歯にマグネットアタッチメントを装備させ、維持力回復を図ったケースです。

 

●ただし、デンチャーは必ず経過と共に、口腔内で沈み(低位し)ますから......

通常、レジリエンツテレスコープデンチャーでは内冠頂面と外冠の間に約0.5mmの遊びを設けます。

そこで、内冠準備の電導性シルバーラック塗布の際、内冠頂面だけはシルバーラッカーを3度塗布し、

そこに緩衝を持たせました。

 

先ずは、着脱方向を決定してマグフィットキーパー付き内冠をミリング加工、製作して、

電鋳工程の前準備をします。

内冠内はパターンレジンで満たし、延長した後に、銅線を瞬間接着剤で固定(上図左)し、

シルバーラックを塗布し、電導性にします(上図右)。

その後、ガルバーノマシンにて電鋳する訳です(下図左)。

すると、このAGCマイクロマシンでは、6時間でゴールドキャップができます(下図右)。

 

11c.jpg 11d.jpg

 

 

●そこで、マージン部をマイクロスコープ下で慎重にトリミングし、

テレスコーププライヤーで脱着します(下図左)。

撤去したゴールドキャップ内面には、未だ電導性シルバーラックが残っています(下図右)。

ここで、急いでこのシルバーラッカーをサンドブラストしてしまうことは、厳禁です。

 

●ゴールドキャップは柔らかいことから、

サンドブラスティングによるゴールドキャップ内にシルバーラックの「銀が拡散」してしまうからです。

銀は口腔内で変色し、1週間で真っ黒になってしまうのです。

 

ですから、硝酸中に浸漬し、銀を溶解することが非常に重要なのです。

 

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また、本症例ではマグネットアタッチメントを装備しています。

マグネットアタッチメントのマグネットは鉄(Fe)から成っていますから、硝酸で溶解されてしまいます。

そこで、この部分をワックスやパターンレジンで被覆してあげることを忘れないでください。


 

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  上図が完成した(レジリエンツもどきの)マグネットアタッチメント付きテレスコープデンチャーです。

症例提供:大田区青物横丁にあるシイヤ歯科の椎谷文恵先生



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