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正しい「歯の色」の決め方

◎シェードテイキングでは、前のぺ-ジに既述した「2度視野」

を考慮すれば、歯面に平行に垂直に「色見本」を置くことが大切です。

これによって複雑な「歯の色」も(人間による視認ですから…)割合、

正確に見えるのです。



●しかし、これだけで安心してはいけません。

歯には「歯茎(専門的には歯肉と呼ぶ)」が付いて来ますし、

隣りの歯もあります。

 

一つ実験をしてみましょう。

左図の下は横並びに同じ「色見本」を置いたものです。

その上に同色の「色見本」で「人工の歯茎」を置いたものです。

この微妙な 『違い』が分かりますか?



●そうです。

気付いた方もおられるかと思いますが、下の「歯茎」が無い方がかすかに「明るく、赤み」を帯びています…… 面白いですね!?


★何故?このような現象が起るのか?

 

   

●まず 「歯茎が無い」ことから、歯茎や隣の歯の「影」が生じないので明るく見える、と言えます。

ではなぜ?赤紫の「歯茎」が来るのに、上の「人工歯肉(ガミーと呼んでいる)歯茎グループ」は赤みが消えてしまうのでしょう?

実はこれには、深い意味が潜んでいるのです。

一つは、歯茎の赤みに打ち消されてしまうということもありますが、大きな問題は「補色の関係」です。

左図は「クレーの補色関係の動き」を示しています。

歯茎の色は「赤紫」です。そこで左図の法則に照らし合わせると……
 
「赤→緑、紫→黄」という補色の関係が成立し、「歯」自体が「黄緑」に見えてしまうのです。

専門のかたはお分かりになるかと思いますが、実際の歯の色調は「Aグループ(赤茶系))」でありながら、その補色である「Bグループ(黄茶系)」に見せかけられてしまうわけです。

●結果として、
補色の関係から圧倒的に「赤」が打ち消され下の「ガミーの無い方の色見本」が微かに「明るく、赤みを帯びて見える。」のです。

★これら詳細は
こちらに”PDFファイル”で掲載しております。


   

●このように、「歯茎」が「歯の色」に与える影響は大きいのです。

● 左図は上の前歯、3本(両中切歯、左側切歯)を
「セラミックス」で作ったものです。

下図左はお口に入れる瞬間で… まだ、完全に入りきっていません。
ここでとなりの「歯」と比較すると
「微かに明るく、赤みが強いことがわかります。」

● しかし、この歯を完全に入れた瞬間に、
明るさと赤みが消え、となりの色に合うのです。面白い現象ですね。

でも、本当なんです!

   


症例提供:東京都神谷町 UKE DENTAL OFFICE

院長 宇毛 玲先生
● 左図はこれら3前歯をセットし、10日後、前から見た「写真」です。
3本とも「歯の色」が合っていることが良く分かります。

★結果として言えることは、歯茎の「歯の色」への」影響を考えた場合、我々が作る
「人工の歯」は実際、口の中にあるものよりわずかに「明るく、赤みが強い」ということが必要条件であるということです。

★これら詳細は
こちらに”PDFファイル”で掲載しております。

★次項では、実際にその「歯茎」をどう扱い、どうやって正確な「歯の色」を決めて行くのかを検証してみましょう。
   



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