マイスターとは...?
マイスター称号取得日記 その1
マイスター称号取得日記 その2
ドイツの徒弟制度
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ドイツの徒弟制度



 

●現在、欧州統合の勢いが増しており、一部のHandwerker(理髪業等)はマイスター制度が変わり、ギムナジウム卒

(日本で言う”センター試験”合格者)であれば、マイスター称号を有する必要はなくなりました。 

歯科技工士マイスターに関しては「ゲゼレにおける5年の修業の後」が外れて、ゲゼレ(国家試験に合格した職人)になれば

マイスターコースやマイスター試験を受ける事が出来るところも出て来ました(ドイツ連邦は地方分権です)。

 

●またEC統一に伴ない、EC内の住居・就業の自由のため、ドイツ人以外はマイスターでなくとも、ドイツ国境近くの国内にて

歯科技工所を経営できるようになりましたので、オランダ・フランスの国境付近には外国人経営の歯科技工所が出来ています。

 

●そして、またもや保険制度の改訂で、補綴に関しては補綴物の種類・材質に関らず補綴した事案に対する基本料金しか

支給されなくなりました。そこで患者が入れた補綴物との差額を補うために保険機構(プライベート保険ではなく)の中に

補綴用の個人保険を設けるように話が進んでいますが、まだ最終的な決定が出ておりません。

これも一時的な改正で、最終的には補綴物に関する健康保険支給はなくなるであろうと予測されています。

 

●この様な変動の中、今は患者が補綴製作を差し控えており、2005年の上期は歯科技工所にて60%の売上が落ちている

と言われています。したがって 歯科技工所の閉鎖を最近良く耳にします。しかし、そもそも補綴物が必要ではなくなる事は

当面ないはずですから、制度が明確化されれば、半年後にでも正常化するものと思われます。

                 ★ 『ドイツ在住、モリタ・ヨーロッパ、杉山様より』

 
                   
 

ドイツのマイスター制度は「同職人ギルドの時代」の徒弟制度(11世紀後半から続いている制度)から端を発し、

10世紀の伝統を有しています。

この伝統が崩壊することについては欧州統合に伴い、種々の意見が飛び交っていました。

よって「ドイツの教育システム」根本が転換される可能性は当時から存在しました。

マイスター称号の必要性が「独立開業の必須」であった制度が1つの「ステイタスシンボル」になりつつることは事実です。

しかし、筆者が懸念することは次のようなことです。

斯界では『ドイツの歯科医療制度および歯科器材は、3年後に日本に波及する』 というジンクスが存在します!

もし、これが急進化するようであれば、本国の「医療保険体制」に少なからず影響が出る可能性は必須であると思われます。

 



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